私自身、20年以上アトピーに悩まされ生きてきました。
→アトピー性皮膚炎と20年以上の戦い【私自身の治療法を紹介】
アトピーに対して自分が言われて嫌だった言葉掛けや集団生活での周囲からの見られ方などアトピーの経験があったからこそ保育園勤務で出会った重症アトピーの子どものケアも的確に行うことが出来ました。今回は、私がアトピー性皮膚炎の子どもへどのように関わってきたかを紹介していきたいと思います。
Contents
アトピー性皮膚炎とは
かゆみのある湿疹が、慢性的に良くなったり悪くなったりを繰り返す病気です。皮膚の【バリア機能】(外界のさまざまな刺激、乾燥などから体の内部を保護する機能)が低下して起こるといわれています。
痒くなるのはどんなとき?
食事・不規則な生活・汗疹・乾燥などから起こりうることが多いです。
家庭での生活習慣は規則正しいか、十分に保湿は行っているかを把握しましょう。
また、その他に考えられるのが、情緒面です。
私は、怒られたり、緊張したりすると更に痒くなりアトピーが悪化することがありました。声掛け・配慮の仕方はストレスになっていないか十分に注意する必要があります。
では、アトピーで痒がる子どもへどんな声かけ・配慮をしていったらよいか見てみましょう。
「かいちゃだめ!」はストレスに
よく、子どもが身体のどこかを痒がると「かいてはダメでしょ!」と必死に止めたり、きつく叱る光景を目にします。
実際、私も両親や先生に何度も言われてきた言葉でした。
しかし、ダメ
!と否定されると余計に痒みがひどくなり、悪化してしまうことも。精神的苦痛でもアトピーは悪化するのを私自身も体験してきました。
では、どんな声を掛けたらいい??
かゆいね、辛いねとその子の気持ちに共感することが大切です。
共感した上で次の対応策を行いましょう。
痒がる子どもへの対応策
薬を塗る
「お薬ぬろうね」と優しく声を掛ける。お薬を塗ることで一時的にかゆみを抑えることができます。
痒いところを優しくたたく、さする
子どもの代わりに服の上からかゆいところをかいたり、さすったりてあげると一時的にかゆみを抑え心も安定します。
夏場は汗疹になりやすい
皮膚と皮膚が重なり合う場所など特に痒くなりやすいです。
- 汗をかいたら小まめに着替えを促す。
- 熱をもっているときは保冷材などで冷やす。
- 汗拭きタオルで拭く。
- 沐浴や水遊びで洗い流す。
(アトピーは塩素等の薬品にも弱いので保護者とよく話し合う必要があります)
冬場は乾燥しやすい
乾燥しやすい時期は、乾燥により痒くなりやすいです。
- 保湿剤を小まめに塗る。
- 加湿器をつける
衣服はお腹に入れる
小さいうちはロンパースを着せ、下着はお腹に入れる習慣をつけて体をかきにくくしましょう。
遊びやお手伝いなどに誘い、「痒い」ことを忘れられるように導く
身体をかく姿が見られたら…
- 「〇〇ちゃんこれやってみよう」「一緒に遊ぼう」などとさりげなく声をかけ遊びに誘う。
- 先生のお手伝いをお願いして気をこちらに向ける。
やってはいけないこと
私の経験で「○○しなさい!」と命令口調で指示されると更に痒くなることがありました。また、「なんでできないの」など、否定する声かけは更にストレスを与えます。
食物アレルギーがある場合
- アトピー性皮膚炎でアレルギー検査により給食で除去食を行う園児もいます。給食室と連携を取り合い、間違えのないように注意していく。また、食事の際は他児とテーブルは分けて接触や誤食を防げるようにする。謝って口にしたり、接触により何らかの症状が出た際の薬を用意していただいた場合もありました。保護者に連絡を入れてから飲むのか・すぐに飲ませるのか、事前に家庭との連絡を取り合っておきましょう。
保護者との連携が大切
アトピーの園児との関わりも大切ですが、保護者との連携・情報交換をすることが一番大切だと思います。
- 日中に痒がっている姿が見られたり、血が出たりした場合にお便り帳や口頭で様子を伝える。
→日中の様子に合わせて「ステロイドを塗ってみます」と対応してくれる保護者もいます。 - アトピーの具合によっては薬を用意してもらう。
→小まめに保湿をするだけでも乾燥を防げることもあります。また、薬を塗ることで痒みを抑えられることもあるので伝えてみましょう。 - アトピーに対して非協力的な保護者に対しての対応
→清潔感がなく、アトピーがひどいことに対して関心がない保護者とコミュニケーションをとることから始めましょう。信頼関係が築けた上で、家庭での薬の状況・食事・睡眠・関わり方・声掛け等について話し合いましょう。
まとめ
アトピーは生活習慣以外にストレスや環境によっても悪化することがあります。まず、その子にどんな対応が適しているかを見極めてあげることが大切です。
- 生活習慣(食事・睡眠・清潔)の乱れはないか
- ストレス環境はないか
- 十分な保湿はできているか
子どものアトピーは、周りの援助次第で完治できると思います。そのためには集団生活に通う時間帯のケアを先生方が適切に行ってあげましょう!
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